湧きあがる思いや、感情ほど、厄介なものはありません。
理性的には、そんなこと考えてはいけない、と思いつつも、「思い」は、どこからともなく、浮かんできてしまいます。
更に、「人間は、感情の動物」と言われるように、感じていることは、実に厄介で、理性的に抑えようとしても、どうにもならないものです。
思考:「思ってはいけません」、感情「感じてはいけません」と言われても、なぜ、私たちは、個々に特有の「感じ方」をして、「思い」を巡らせては、それを止めることができないのでしょうか。
もし、人が、思いたいように思えて、感じたいように感じることができれば、世の中の苦しみから解放されることでしょう。
心が働くところは、脳科学的には、頭にあるとされています。
喜びや、感謝の気分になると、抱擁ホルモンで有名な、オキシトシンが分泌されることが分かっていますし、その反面、ストレスを感じていれば、コルチゾルやアドレナリンというホルモンが、分泌されています。
例えば、目の前に、次の写真のようなベンガル虎が現れたとき、視覚が、虎の存在を確認するやいなや、私たちの脳は、自律神経系を介して、副腎にシグナルを送り、アドレナリンの分泌を促します。
アドレナリンは、別名:闘争か、逃走かと呼ばれる抗ストレスホルモンで、虎と戦うか、虎から逃げるかに対して、全エネルギーを集約させるように、生理学的に働きます。
大事なことは、この時、昨今猛威を振るっている新型コロナウィルス等の感染があっても、私たちの体は、虎の脅威に全エネルギーを注ぐため、発病を食い止める免疫系は、遮断されてしまいます。その結果として、感染症の発病となってしまうのです。
「ストレスが、病気の原因である」と言われる所以です。
もう一つの例としては、日常的に報道される新型コロナウィルスの脅威は、ニュースを見るたびに、そして、状況を聞くたびに、身の毛もよだち、恐怖心を掻き立てます。
この恐怖心は、ストレス反応の最たるものであり、この心的な状態が慢性的な恐怖であれば、
血中には、コルチゾルが分泌される状況が続きます。
突発的に感じるストレスには、アドレナリン、慢性的なストレスには、コルチゾルが、抗ストレスホルモンとして働いています。
抗ストレスホルモンが多すぎると、コロナウィルスのような、外側からの脅威だけでなく、がんのような内側から生まれてくる脅威に対抗できる免疫力が萎えてしまうことは、否定できない事実です。
ですから、精神的にも必要以上に神経質にならず、且つ怖がることなく、外からの脅威を出来るだけ予防して、内からのエネルギーを隆起させることにも目を向けましょう。
喜び、勇気、安心感等の心の状態が作るエネルギーは、免疫力を高めてくれます。
私たちは、外側でエネルギーを使っていますが、本当に必要なことは、病気になったとき、予防も含めて、内側でのエネルギーに変換させる術を学ぶ必要があります。
思考と感情は、極めて厄介ですが、人が、何かを感じて、思ったり、考えるというメカニズムを備えている肉体があることで、体験した出来事から物事を感じ取り、良くも悪くも特定の感情を味わうことができます。
一般的には、人の本質は霊(魂)=意識であると言われています。
しかし、肉体をもって、五官を兼ね備えていなければ、チョコレートの甘さも、子供が生まれたときの感動も、人を愛する喜びも味わうことができません。
私たちが、五官を通して得られる喜び、悲しみ、怒り、憤り、恐れ、そして感動や感謝の気持ちを味わうことで、それらの辛い感情を乗り越えて、喜びや感動を味わったとき、本質である霊(魂)=意識の向上につながることを確信します。
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